大学生が陥りやすい五月病に関する考察と対策

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 新型コロナウイルスが流行している今となっては5月病も羨望の対象かもしれません。
多くの大学ではそもそも通常の授業を開始していないでしょうから。事実上の休校状態になっている学校の方が多いのではないでしょうか。

 あー。だりーな、大学。

とか友達と言い合う、あれです。5月病って。

 授業がなければまだ春休みの延長って感じでしょうか。
オンライン授業を受けているにしても自宅で1人でパソコンに向かってるだけなら、大学新入生にとってはうずうず、そわそわって感じなのかもしれない。

 平時ならば。つまり4月頭から大学の授業が始まるならば。

多くの大学生が経験するであろう五月病について思いを馳せてみます。

五月病って何か。

  手元にある広辞苑を繰ってみます。

4月に新しく入った学生や社員などに、5月頃しばしば現れる神経症的な症状。

広辞苑第6版(岩波書店)より

「神経症的な症状」とは具体的にはなんでしょうか。
もっと詳しい説明が別の辞典にあったので引用してみます。

新しい環境に適応できず、焦り、ストレスを感じ、気持ちが落ち込むうつ状態。(中略)おもな原因として、受験など極度の緊張からの解放、新しい学校・職場の実態に対する失望、新たな目標の喪失などがあげられる。

ブリタニカ国際大百科事典(電子辞書版)より

 ブリタニカの説明をもとに五月病の要因を換言すれば、

  • 理想と現実のギャップ
  • 過去と現在、未来とのギャップ

の2点に集約できます。

 例えば、季節の変わり目って体調崩しやすくなるじゃないですか。
夏から秋になって急に寒くなるとか、春の陽気から梅雨に入って気圧が大きく変化しやすくなるとか。

 それと同じように、「変化の大きさ」が体、この場合特に精神に異変をきたしているということだと考えられます。

五月病の要因。

 筆者自身も大学入った一番最初の年はまんまとかかって、6月前半くらいまで続いていた気がします。その経験を踏まえて考えてみます。

楽しい入学初期シーズンの終わり

 入学したばっかりには刺激的な行事が続きます。
サークルの新歓イベントで先輩にちやほやされたり、クラスのコンパ、いろいろな出自を持つ人とたくさん出会ったり、高校までとは全然違う授業、一人暮らし。など。

 息つく間もなく新しいことが次々とやってきて、疲れ果てるほどに刺激的です。

 しかし4月も終わりに近づいてくると新歓イベントの勢いはぐっと収まり、授業にも慣れ、ある程度仲が良い友達が分かってきます。
つまり今までの非日常が日常になる。

 いままで夢見ていた大学の実態を知ってしまう。
ことによると、「理想の大学生活」は存在しないことを知ってしまう。

 刺激が人間を動かすガソリンだとすれば、そのガソリンが外から勝手に供給されなくなってしまうのです。

 つまり、一時的なガス切れ状態が五月病です。

連休と帰省

 5月の大型連休、ゴールデンウィーク。10日間ほど休みがとれる場合もあるので実家に帰省する人が多いのではないでしょうか。
まだ部活やサークルの行事が本格化する前でしょうし、実家の親御さんからしても久しぶりに子供の顔を見たいと思うことでしょう。地元との友達にも会いたいと思います。

 帰省をすることによって、新しい環境から一気に今まで慣れ親しんだ環境に、一時的ですが戻ることになります。

 これが、理想と現実とのギャップをより広げてしまう。
大学生活は、思い描いていたよりも大変で、華やかじゃなかった。嫌だな。という感情。
実家は落ち着くし、親しい友達もいるし、ぬくぬくとした環境。

 連休が終われば再び大学に戻らなくてはなりませんが、帰りたくない、という気持ちが日に日に大きくなる。

 冬の寒い日の寝起き、あったかい布団から出たくないのに極めて似た感情だと思います。
連休明けに大学に戻るのは、布団から出るが如く厳しいのです。
(寒い日布団から出るのってすごいエネルギー要りますよね。バンジージャンプ跳ぶぞ!的な。)

再び大学で待ち受ける現実

ボディーブローをくらってフラフラのボクサーのように成り果ててしまった新入生。

待ち受けているのは再び甘くない現実。

 大学がどういう所なのか4月でだいたいわかってきた。
だから「早く慣れなきゃ」という焦燥感を感じるようになってきます。

 バイトやサークルに入ったから、先輩や同期とうまくやらなきゃ。とか。
授業がわかるように勉強しなきゃ、とか。

 慣れることは、新しい環境への過渡期。つまり再び大きなエネルギーが必要となるわけです。

 しかし大学という現実を知り理想の大学生活の夢はいくばくか打ち砕かれ、実家という居心地の良い環境からの決死の脱出を経た新入生は、その時点でもはやエネルギーを使い果たしてしまっているのです。

 この深刻なエネルギー不足こそ、五月病。

五月病に陥るとどうなるか

 新しい環境に早く適応しなきゃと思っている反面、それができなくなります。

 一番顕著なのは不登校でしょう。
大学は授業に行かなかったところで先生から電話が来たり、怒られたりすることはありませんし、一度や二度さぼったところで単位の取得になんら問題はありません。

だから、今日はめんどくさいから授業休も。友達に頼んでノート見せてもらえばいいや。
サークルもめんどいから休も。先輩にLINEするかな。

みたいな感じで気軽に休めてしまいます。
ちょっと休むくらいなら、ほとんどの大学生が経験してるではないでしょうか。

 それで、「そろそろ大学いかなきゃな〜」って、やる気が休むことで復活すればいいんですけど。友達から「最近大学来てる?」みたいな感じで連絡きたりとかでも。

深刻なのはそのまま不登校を引きずってしまうことです。
こうなってくると非常な悪循環で、

大学に慣れなきゃいけない→不登校なので慣れることができない→復帰する意欲がなくなる

というサイクルが延々と繰り返されてしまいます。
そのまま退学や留年(遅かれ早かれ)を決めてしまうケースは多々あります。

ここまでいかないと良いのですが。
また、こうなりそうな人に手を差し伸べてくれる友人がいればいいのですが、

大学入学初期の、「新入生みんなが友達を欲していて、誰に対してもフレンドリーな時期」を逃して孤立気味になってしまった人にとっては厳しい状況です。

(人間は結構残酷なもので、自分の居場所を一度見つけると他人に対する心の開き具合は明らかに狭くなります。人と接することは不安なことで、自分が傷つく可能性も孕んでいるものですからね。)

五月病から脱出するために

 あえて「五月病を予防する方法」としなかったのは、五月病になるのはある意味仕方のないことだと筆者が考えているからです。
誰しも、新しい環境への不適合感と焦燥感、絶望感は感じるものだと思います。

 この記事の最初の方の引用で、五月病は「うつ状態」であると書いてありました。
鬱ということは、最悪の場合自殺にも繋がりかねません。

 これを踏まえて、筆者は最低目標を「死なないこと」とします。その次は「大学に行きたいのに行けなくならないこと」。

無理して大学にいかなきゃ、と思いつめすぎると苦しくなってしまうので、自分自身にゆとりを十分に持たせてあげましょう。

大切なのは心のエネルギー不足状態を回復させることです。

目標を決めてサボる

 目標っていっても大したことじゃなくて、サボると決めた時に、「明日は1限からラストまで大学に行こう」とかある程度自制した上でサボるということです。

行けたら行くわーみたいな、明日になったら決めよ〜、みたいな曖昧な態度を取らず、毅然として期日を決めてサボれば大丈夫。

 授業さぼって映画見に行ったりラーメンとか食べにいったりするのは最高に気持ちがいいっすよ。

家でごろごろ〜でも悪くはないですが、それが「真剣なサボり」でなければやめた方がいいでしょう。普段とのメリハリがつく「サボり」でなければ別のことをやってみましょう。

サボるのであれば、今までやりたかったけどできなかったことや、自分が一番気持ちよくなれる極上のサボりをしましょう。

さぼったあとに、「今日は楽しかったな〜明日から頑張るか〜」とエネルギーチャージできればOK。サボりに真剣であれ。

親しい人に連絡をとる

帰省ほどがっつりではなく、一時的にぬくぬくの環境を味わうことで心のエネルギーチャージを図ろうとするものです。

特に大学生活において、親しい(居心地のよい)人間関係が構築できていない人にとっては、人とのコンタクトをとることは大切なことです。
人間に対する不信感を払拭し、今までの自分を取り戻せる可能性があるので。

家族でも、仲の良い地元の友達でも、誰でもかまいません。
「最近調子どう?」とか、別に悩んでもないことをお悩み相談という体で電話してみたりとか、なんでも大丈夫。

大学に高校の同期や友達がいるラッキーな人であれば直接会ってみるのもいいですね。

カウンセリングコーナーとかいってみる?

 大学にカウンセラーが週に何回かきてたり、予約すると無料でカウンセリングしてくれる場合もあるので、冷やかしついでに行ってみてもいいかもしれません。

 ただし、あまりカウンセラーに期待しすぎるのもよくないかなと思います。
相性とか、カウンセラーの力量とかもあるので。

 それにカウンセラーに期待するものが難しいかもですね。
慰めてもらえばいいのでしょうか。励ましてもらえばいいのでしょうか。

 とても主観ですが、結局の所解決方法は自分で見つけるもので、他人から教えてもらえるもんでもないかなーと思います。

 筆者も大学のカウンセラーではないですが、町のメンタルドクターみたいなところに一時期通っていたことがあるので。

 しかし、先ほど述べた通り人と話すことはそれだけで結構良いことなので行ってみるのもいいと思います。
カウンセラーと話す時は自分の今の気持ちとか状況を恥ずかしがらずに包み隠さず話すのがコツです。

マジでヤバかったら休学してみるとか。

 1年休んでフリーターやってみたり、海外にふらっとでかけるとか。実家帰って家業の手伝いとか。
 やる気が出るまでやすんでもいいんじゃないですか。

1年や2年無駄にしたところで人生長いんで、人生全部がダメになることなんてないですよ。
やり直しききますから。

自分を責めすぎないことが大切です。

本当に大学が合わなかったら辞めて、別のこと頑張ってもいいと思いますし。
また大学に行きたくなったら入試を受けて入りなおせばいいですから。
社会人入学など、後から入学できる制度がある大学もあるのでね。

鬱っぽいのがひどくなると、死ぬことの距離が急に近く感じてきます。
ちょっとコンビニでアイス買ってこ、みたいな感じで死ぬ、みたいな。

ここで踏切越えて電車にはねられてたらどうなるかなー、とか、お風呂入っててこのまま浴槽で沈んでたらどうなるかなーとか、すぐ考えたくなるというか。

ポジティブな気持ちが一切なくなるので、1人で鬱状態から脱出する気力すらなくなっちゃうんです。

だからひどくなる前に対策しようね、という話です。

さいごに

 家族と仲が良ければ実家暮らしというのはいい面もたくさんあると思います。
自分が孤立しない状況があるというのは安心感があります。

 多くの人が軽く五月病を経験して、立ち直って、新しい生活を確立していくものなので、死にたくなる程深刻にならなければそう大きな問題ではありません。

 長期休み明けは小学生の自殺する人数が増えるとかなんとか、って聞いたことあるような気がしますが、休み明けがつらいのは青年もおんなじなので、恥ずかしく思う必要はありません。

 みなさんがんばってください。お読みいただきありがとうございました。

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